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眠る盃

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発行元: 講談社

4.0
(2)

Language:日本語 | Number of Pages: 254 | Format: Others

Isbn-10: 4061317687 | Isbn-13: 9784061317680 | Publish date: 

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Book Description
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  • 4

    先日友人と食事していたとき、どんぶりとお重の違いについてたずねられた。親子丼もうな重も日本料理店で食べる外国の人にとっては、どんぶりとお重がもつ意味合いの違いなどわからない。でも、私にとっては、両者の違いはあまりにも「明白」で、それを誰かに説明しなくてはいけないときが来るなどとは思っても見なかったから、たずねられたときに言葉が詰まってしまった。
    こういうとき、向田邦子の文章は本当にありがたい。向田のエッセイでは、私が台湾の友人に説明したい、私の「当たり前」がちゃんと言語化されている。この本の中でもどんぶりについての記述をみつけた。

    「重たさを愛す」:
    ...続く

    先日友人と食事していたとき、どんぶりとお重の違いについてたずねられた。親子丼もうな重も日本料理店で食べる外国の人にとっては、どんぶりとお重がもつ意味合いの違いなどわからない。でも、私にとっては、両者の違いはあまりにも「明白」で、それを誰かに説明しなくてはいけないときが来るなどとは思っても見なかったから、たずねられたときに言葉が詰まってしまった。
    こういうとき、向田邦子の文章は本当にありがたい。向田のエッセイでは、私が台湾の友人に説明したい、私の「当たり前」がちゃんと言語化されている。この本の中でもどんぶりについての記述をみつけた。

    「重たさを愛す」:
    丼は、職人の丼がけや丼感情などという言葉から、ざっかけない、やや品のない印象だが、私はそこが好きである。・・・・・・だから、丼は、あまり上等でないほうがいい。薄手の軽いものでは、あの感じが出ないのだ。絵つけもアッサリがいい。赤絵の凝ったものは気が重い。安くて気楽で、万一、粗相をしても「ごめんなさい」で済む器の方が、丼ものとしては正統派であろう。
    中身の方も、なんのなにがしの料亭の、おしのぎに出される丼ものよりも、私はそのへんのおそば屋さんの、衣の厚いえび天が、しっぽをはみ出してならんでいる天丼の方がうれしい。箸も割りばし。箸置きなんかなくていい。
    あわただしい引越しや、女同士の気のおけない客や、時間はないけど活気があって、手間ひまかけるより、とにかくおなかを満たしたい、という時に、気どらずガツガツ食べる方が似合うような気がする。

    どんぶりもののイメージをこんなに的確に表現してくれてありがとう、と向田に言いたくなった。ほかの本にうなぎについて書いてあったけど、お重についてはどんぶりほど踏み込んで書いていなかったと思う。お重は気どったものだから、これに薀蓄をたれるとちょっと嫌味な感じになるからだろうか。

    said on